2022 0714 決算) 米国大手銀行2つの決算の紹介 JPモルガン(JPM)とモルガン・スタンレー(MS)の2022第2四半期の決算詳細です!!
JPモルガン・チェースが14日発表した第2・四半期決算(4─6月期)は28%の減益となった。米景気後退リスクが高まる中での貸倒引当金の積み増しが響き、市場予想を超える落ち込みとなった。自社株買いの停止も発表した。
JPモルガンの1株当たり利益は27%減の2.76ドルでしたが、収益は307億ドルと比較的横ばいでした。ウォール街のアナリストは、1株利益が昨年の3.78ドルから1株あたり2.92ドルに下がると予想していました。JPMorganは、4.3%増の318.1億ドルと予測されていた収益の見積もりを実今回逃しました。この結果を受けて自社株買いプログラムを停止する予定です。
CEOのジェイミー・ダイモン氏は発表の中で、「米国経済は成長を続けており、雇用市場と個人消費の両方、そしてそれらの支出能力は健全なままである」と述べた。しかし、彼は、高インフレ、消費者信頼感の低下、高金利、「これまでにない」量的金融引き締め、国際紛争は、将来の世界経済に悪影響を与える可能性が高いと述べています。
JPモルガンの総投資銀行収益は32%減の7億8,800万ドルでした。貸倒引当金は11億ドルに増加しました。これには、準備金の積み立てによる4億2,800万ドルと、6億5,700万ドルの正味貸倒償却額が含まれます。
JPモルガンの最近のストレステストの結果として、銀行は資本を構築し、自己資本比率の管理に焦点を当てると、ダイモンは発表の中で述べた。「より高い要件に迅速に対応するために、株式買戻しを一時的に停止しました。これにより、幅広い経済環境を通じてお客様、クライアント、コミュニティに最大限の柔軟性を提供できるようになります。」
また、ウクライナでの戦争や高インフレ、金融政策の「かつてない」量的引き締め(QT)など、多くの懸念要因が世界経済の成長に対する脅威と指摘した。一方、米経済については、同行がさらに貸し倒れに備える中でも、成長は継続し、雇用情勢や個人消費は健全と評価した。一方で、不特定の規模の嵐が米経済にやってくると引き続き考えているとも発言。その結果としては、ソフトランディング(軟着陸)からかなり厳しいものまで、幅広く想定されるとした。
米金融大手モルガン・スタンレーの第2・四半期決算(4─6月期)は、利益が30%減少し市場予想を下回った。世界的にM&A(合併・買収)案件などが減少し、投資銀行部門が不振だった。利益が市場予想を下回るのは9四半期ぶり。
第2・四半期の利益は24億ドル(1株当たり1.39ドル)。前年同期は34億ドル(1株当たり1.85ドル)でした!!
金融情報会社リフィニティブのデータによると、アナリスト予想の平均は1株当たり1.53ドルでした!!
投資銀行部門の収入は55%減少し、トレーディング収入の8%増を相殺した。
シャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)はインタビューで「大規模なM&Aは、価格発見と今後6カ月の間に市場がどう動くかに左右される」と述べた。
ウェルス・マネジメント部門の収入は6%減少。持続的な収益源と期待されるものの、投資銀行部門の低迷を相殺することはできなかった。
純収入は11%減少。株式・債券の引き受けによる収入もそれぞれ86%、49%減少した。
ローガン・キャピタル・マネジメントのリードポートフォリオマネージャー、クリス・オキーフ氏は「リセッション懸念で助言業務や株式引受業務が不振になっても驚きはない。顧客は『FRBと戦うな』という古い格言に耳を傾けている」と語った。